先日ネットの海を漂っていたときに面白い人生相談記事をみたのをきっかけに、その方の書籍を読んだ。
人生相談集なんだけれども、軽妙な語り口で、相談の文章からその人が本当にしたいことを丁寧に観察し、丁寧に答えていく。 重い相談が多くて(おとなになって見ず知らずの他人にする相談だから、まぁ重くはなりがちだよね)、読みながらいろんな人の人生を追体験しているような気持ちになってしまった。
そんなにボリュームのある本ではないので一気に読み進めていたんだけれども、一つ一つの相談の質量があるので、3回に分けて読んだのだった。
1日目、2日目と読みすすめていたのだが、その2日目、直感で「これは最後の質問だな」とわかる質問がきたところで、内容が凄まじいもので消化しきれず、2日置いてから今日、最後まで読み切った感じ。
苦しい質問で少し泣いてしまうくらいだったけれど、やはり丁寧な返答で優しい気分になれた。
この方の回答方針や思想は一貫している。
- 人は幼い頃にされたことを子どもにもやりがち(再生産って言えばいいのかな)
- 徹底した客観視
- 相談者はほぼ答えを「知っている」ということ
この方、がんになっておりもう死期が迫っているらしい。それさえもある意味利用して、がんになったからこそできることのようなものを見つめているようで悲壮感がない。その余裕が回答に優しさという形で現れているなと思った。
読むと少し世の中に優しくなれそうな、そんな気持ちになった。読後感が良い。