shibatch's journey

日々考えていることをつらつら書くだけです

5年ぶりの、10年後の新刊

久しぶりの雨の朝だった。昨日までの体調を崩すほどの暑さから一転、雨音が心地よい涼しい朝であった。 本当は家で仕事開始まで聴いておきたい音だったけれども、朝に眼科へ行く予定があったので仕方なく家を出た。

ひと月ほど前、ドライアイがひどくて目が常時痛い感じになってしまったんだけれどもだいぶ快復しているとのことだった。 もらった目薬(ムコスタ)が良い薬なんだと思う。国民皆保険制度さまさまである。 またたっぷりムコスタもらったけれどもこれを使い切った頃には違和感はなくなっているだろう。

さて、病院で待合中にKindleで本を読んでると、サジェストされた中にびっくりしたコミックがあった。

Orange。5年前に完結した、好きだった漫画。社会現象にもなった大人気の恋愛コミック。

なんでも4月に新刊が出ていたらしく、これが最終巻になるとのことだった。

このコミックはざっくり話をすると、10年後の未来の自分から、「後悔しないために」手紙が届き、その通り行動していく話。

連載開始が2012年で、ちょうど今年がその10年後の年にあたる。絶対に10年後の話がでてくる。出版するにあたって完璧にストーリーができている。読みたい。仕事が終わると早速購入して読んでみた(久しぶりに読んだので思い出すために5巻から読んだ)。

この7巻は、最終巻だというのに、5年ぶりの新刊だというのに、ある種なんでもない日常の話だった。白い絵の具で塗りつぶしたような、一点の曇りもない、幸せというには一見普通すぎる話。

しかしそれは6巻までを読んでいると評価が変わる。この最終巻は成しえなかった「もう一つの未来」を、淡々と描いているという仕掛けだった…

この仕掛けには唸ってしまった。パラレルワールドを描いていることは作中でも明らかになっていたけれども、10年後の未来をハッピーエンドで描き切ってしまうとは。毎日人間はひとつひとつ選択しながら生きているわけだけれどもちゃんとそれは運命ではなく選択した結果なのだよと言われているような気がした。こんなに読後感がよいコミックに出逢わせてくれてKindleに感謝だし作者に感謝です。明日からもがんばろ。