ちょうど一年前、ちょっと人生が豊かになるような、そんな助言をいただいた花屋さんがあった。その花屋さんは上野の、とってもとってもわかりにくい場所にひっそりとあった花屋さん。
上野にはあまり行く機会がないけれども、一年前のお礼も言いたくて、また行ってみようと思い立ったのだった。
久々に行ってみるとその花屋さんはなくなっていて、学生服屋さんになっていた。お花を買って、あのときはありがとうございました、ってお礼を言うつもりだったけれども、もう、その機会は永遠に訪れない。
それはただの自己満足かもしれないけれども、後から感謝の気持ちを伝えようとしても遅すぎることがあるんだなと思った。日々、見えないところでいろいろな人の助けを借りているので、そういったものに感謝しながら、そして言えるときにはありがとうございます、とちゃんと言うようにしよう、と思ったできごとだった。
本当に小さくてわかりにくい場所にあった花屋さん。多分きっと、12月が来るたびに、ふとこのできごとを思い出すような、そんな気がしている。